立春の知らせは、それと同時に何の訪れを皆さまに届けてくれているのでしょうか。春の風物詩・高崎映画祭が近づいて来た事を感じて頂けていたら幸いです。
1987年に始まった高崎映画祭は、数々の出逢いと支援の中で回数を重ね、今年で25回目を数える事になりました。四半世紀と考えてみると、その時間の長さと経験の深さに、改めて驚きと感慨深さを感じております。高崎映画祭の趣旨に賛同しご協力くださった協賛企業さまや関係各者の皆さま、映画関係者の皆さま、のべ数千にもおよぶボランティアスタッフの皆さま、そして会場に足を運んでくださった観客の皆さまに、この場をお借りして、感謝と賛辞をお伝えしたいと思います。高崎映画祭が、ここまで続けて来られたのは皆様のご参加があっての事です。
高崎映画祭は、地方にいても良質の映画を数多く観たい、都市との映画環境の格差を少しでも縮めたい、そんな思いから発進しました。毎年セレクションする作品たちは、時代の鏡となる映画を高崎ならではの視点でお届けしてまいりました。昭和から平成へ、20世紀から21世紀へ、時代が変わり、映画環境もさまざまに変遷を遂げてきました。そんな中で生まれて来る映画たちを、そして残し後世に伝えたい映画たちを、私たちは高崎映画祭の目線から発進してまいりました。大きな柱は変わる事なく、その中で更に時代ごとの特色を出して来たと自負しております。
今年も、記念すべき25回の節目に、あえて私たちは映画を粛々と上映しようと思っております。映画が生まれた年、公開された年、そこには日本の現在が現れているような気がします。さまざまな背景がここには詰まっています。
今年は全54作品を高崎映画祭から発信します。
皆さまの人生の一部の時間を、この映画たちと共に過ごして頂けるだろう事に想いを馳せ、映画を大切に映画と共に今年も進んでいきたいと思います。
皆様のお越しを、お待ちしております。
高崎映画祭事務局 総合ディレクター 志尾 睦子 |