新作を中心に作品をご紹介している高崎映画祭ですが、なかなかスクリーン体験のできない旧作も積極的にご紹介したいと考えています。特に日本映画の黎明期の作品には、作り手の熱情とともに、日本文化の息吹を色濃く感じる名作が数多く生まれています。何を映画にするか、という点で講談・浪曲・落語などの“語り芸“をもとにした物語が盛んに作られました。口伝えでその技が伝わっていくこの芸能は、時代を越えて愛され、磨き上げられ、大切に受け継がれてきた日本人の魂でもあります。
2018年の第32回に、題材につながりのある映画と浪曲、両方を一緒に楽しんでもらおうと、「映画と浪曲」企画を行いました。選んだ題材は群馬の侠客・国定忠治。映画が作られるずっと前から、侠客としての忠治の生き方や、彼を取り巻く人たちの人情や生命力は、講談・浪曲・落語などにおいて、魅力あふれる物語として語り継がれてきました。そしてそれらは映画にもなっていき、数多くの名作が生み出されました。記録としてはそう残っていますが、現在観られるそれらの旧作は限られています。
日本が誇る古典芸能・浪曲と、すばらしき35ミリフィルム映画を一緒に楽しんでいただいた初回の組み合わせを、2024年に再び楽しんでいただきたく思います。
浪曲師は、前回と同じく現代浪曲界のスター・玉川奈々福さん、曲師に沢村まみさんをお迎えし、迫力ある浪曲をお届けします。
高崎映画祭での場が、伝統と芸と想いを繋ぐ一つの機会になることを願っています。
内容
『唄祭り赤城山』 © 東映
■浪曲「金魚夢幻」時空を超えた金魚の恋映画
■『唄祭り赤城山』
休憩(5分)
■浪曲「忠治山形屋」(古典)その後の忠治
出演者
©️御堂義乘
玉川奈々福(たまがわ・ななふく)
神奈川県横浜市出身。1995年、曲師(三味線弾き)として二代目玉川福太郎に入門。師匠の勧めにより浪曲も覚え、2001年浪曲初舞台。2006年、美穂子改め玉川奈々福として名披露目。さまざまな浪曲イベントをプロデュースする他、自作の新作浪曲も手掛け、他ジャンルの芸能・音楽との交流も多岐にわたって行う。平成30年度文化庁文化交流使として、中欧5か国、中央アジア2か国で公演したほか、イギリス、リトアニア、中国、韓国、アメリカでも公演。第十一回伊丹十三賞受賞。
©️御堂義乘
沢村まみ(さわむら・まみ)
神奈川県相模原市出身。歌舞伎や落語、講談など様々な芸に触れるなかで浪曲に出会い、『浪曲は人間の叫びだ』と感じ衝撃を受ける。浪曲を彩る師匠のお三味線の音色に惚れ、曲師を志すことを決意。2019年3月、沢村豊子に入門。2020年6月初舞台。
開催日時
3月20日(水・祝) 15:30開演(17:50終了予定)
14:30受付開始、15:00開場
※申込番号順でご入場いただき、全席自由席です
会場
高崎電気館
群馬県高崎市柳川町31
料金
大人2,500円 学生1,500円 高校生以下1,000円
申し込み
高崎電気館地域活性化センター
TEL 027-395-0483(電話受付は毎日10時から19時まで)
申込期間
2月17日(土)より電話にて受付開始 〔事前申込制/全席自由〕
定員
*定員(250名)に達した場合、当日券の販売はございません。