受賞作品６作品は、どれも映画のエネルギーみなぎる力作揃い。

【2014年特に注目したい厳選の3作品】 　『黒四角』は空を舞う黒い四角の中から現れた男が鍵を握る一風変わったラブストーリー。北京を舞台に全編北京語で撮影。『FORMA』は2人の女性が引き起こしてしまう憎しみの連鎖をモチーフに、人間の心の闇に肉迫する。重厚な筆致で描き出されたサスペンス。『太秦ライムライト』は京都・太秦を舞台に、そこで「斬られ役」として生きる俳優・香美山の物語。日本一の斬られ役と言われる福本清三が初主演を務めたことでも話題となった。日本映画の心を垣間見る一作。

　今後、日本映画を代表することになるであろう監督たちをご紹介。 『はなればなれに』は接点のなかった若者たちが出逢い、時を共に過ごし、紡ぎだしていく関係性を静かに描く。アンニュイな距離感が心地よい大人の青春物語。『ぼんとリンちゃん』は、いわゆる「オタク」な夏子・通称ぼんと、麟太郎・通称リンが繰り広げる、友人救出大作戦。不思議な魅力をまとった作品。『そして泥船はゆく』は田舎で祖母と二人で暮らす男、そこにやってくる亡き父の娘と名乗る少女。不可思議な日々の戯れがおかしみを誘う一作。『ストロボライト』は閑静な住宅街で起きた猟奇的殺人事件が、一人の刑事を翻弄していく。記憶と愛をめぐるクライムサスペンスは見応え十分。