Films 第36回高崎映画祭 上映作品
邦画ベストセレクション
2022年の邦画界は、その前年までの動きの中で公開が止まっていたものが公開されたり、現場の動きが通常化したことで、製作から公開までがスピーディに流れたりと、この数年来において発表作品も多く活発な印象を受ける一年でした。また、これまでの常識にとらわれることなく、より自由に、映画表現と制作スタイルを取り入れ、観客が世界にいることを意識した日本映画が多く生まれたと思います。受賞作品を含むバラエティに富んだラインナップをご堪能ください。
こちらあみ子
2022年/日本/1時間44分
監督・脚本:森井勇佑
出演:大沢一菜/井浦新/尾野真千子
- 3/22(水) 19:00~20:44 @高崎芸術劇場
- ●新進監督グランプリ
- ●最優秀新人俳優賞
裸足で鳴らしてみせろ
2021年/日本/2時間08分
監督・脚本:工藤梨穗
出演:佐々木詩音/諏訪珠理/伊藤歌歩/甲本雅裕/風吹ジュン
- 3/24(金) 19:00~21:08 @高崎芸術劇場舞台
挨拶
- ●新進監督グランプリ
- ●最優秀新進俳優賞
目の見えない白鳥さん、 アートを見にいく
2022年/日本/1時間47分
監督:三好大輔/川内有緒
出演:白鳥建二/佐藤麻衣子/川内有緒/森山純子
- 3/30(木) 19:00~20:47 @高崎芸術劇場舞台
挨拶
- 特別招待作品/先行特別上映/日本語字幕付上映/UDCast 対応
洋画ベストセレクション
若者の洋画離れが深刻だと言われ始めてから久しく、需要がないとばかりに洋画の公開本数は邦画の公開本数を年々下回っていきます。ハリウッド大作以外の世界中の作品が観られなくなっているわけではなく、逆に劇場公開をせず、最初から全世界配信される作品が多くなっています。これはコロナ禍における大きな変化だと思います。世界の窓である洋画を、スクリーン体験と共にお届けしたいという高崎映画祭の想いを込め、2022年に劇場公開された作品の中から、群馬県内初上映を中心にセレクトいたしました。
監督たちの現在(いま)
日本映画界は今変革期を迎えていると感じています。働き方改革も含め、作り手たちの環境や、表現方法、技術的なツールや、観客へ届ける方法論等、あらゆる局面がより自由にフレキシブルになっています。今回ご紹介する10作品は、これからの日本映画界を担う逸材と思える作り手の作品を取り揃えました。アイデアと意欲に富んだ作品群をどうぞお楽しみください。
遠くへいきたいわ
2022年/日本/0時間30分
監督・脚本:団塚唯我
出演:野内まる/河井青葉/フジエタクマ/津田寛治/金澤卓哉
- 3/24(金) 16:00~17:00 @シネマテークたかさき
- 3/26(日) 14:30~15:30 @シネマテークたかさき舞台
挨拶
- 『なっちゃんの家族』と同時上映
なっちゃんの家族
2022年/日本/0時間30分
監督・脚本:道本咲希
出演:上坂美来/白川和子/斉藤陽一郎/須藤理彩/山﨑光
- 3/24(金) 16:00~17:00 @シネマテークたかさき
- 3/26(日) 14:30~15:30 @シネマテークたかさき舞台
挨拶
- 『遠くへいきたいわ』と同時上映
まちと映画
映画作りは、制作チームとその撮影を受け入れる場所(まち)との信頼と連携がなくては成り立ちません。コロナ禍を経てた今、なおさらそれを強く感じます。今回は、伊参スタジオ映画祭から生まれた2作品と、高崎フィルム・コミッションが支援や制作に携わった4作品をセレクトいたしました。まちとひとの愛情を受けた珠玉の6作品を、今年もお届けできる事に感謝しかありません。
映画字幕翻訳者 戸田奈津子
高崎映画祭のコンセプトの一つに、映画を観る場としてだけではなく、映画を考え語り合える場でありたい、というものがあります。さまざまな角度から映画を感じ、深め、楽しめるように、映画の作り手・届け手の声も届けていきたいと思っています。そんな視点から、高崎映画祭が映画字幕翻訳者の戸田奈津子さんをお招きしたのは今から30年前の第6回開催の時でした。再び、第一線で走り続ける戸田奈津子さんを、高崎の地へお招きできることの嬉しさを噛み締めています。今回は名作『Smoke』の上映後、戸田奈津子さんにご登場いただきます。映画字幕の奥深さ、言葉の力、そして映画の魅力について語っていただく予定です。どうぞお楽しみに。
特別上映 NPO法人バレエノア 『紙ひこうき(改訂版)』
高崎市に拠点を置くNPO法人バレエノアは、クラシックバレエ、コンテンポラリーダンスを中心とした舞踊芸術の振興と、舞踊を通じた青少年の健全な情操教育の育成を目的として活動する団体です。1989年、任意団体【メイツ】として、福祉施設や学校などへ出向きバレエの出張公演を開始し、2004年にNPO法人バレエノアとなりました。第一線で活躍する舞踊家、俳優などを講師に迎えてワークショップを開催するなど、舞踊教育事業にも力を入れています。
今回高崎映画祭でご紹介するのは、2020年にバレエノアが金沢21世紀美術館で上演したコンテンポラリーダンス作品『紙ひこうき(改訂版)』の映像です。『紙ひこうき』はクラシックバレエを学ぶ学生を対象としたワークショップから生まれたバレエノアのオリジナル創作ダンス作品。振付家ファビアン・プリオヴィユを迎えて創り上げたこの作品は2008年の初演以来、高校生を中心とした出演者によってメンバーを再編成するなどして上演され続け、国内外で高い評価を受けています。
活動がさまざまに制限されたコロナ禍中の2020年、『紙ひこうき(改訂版)』が上演されたことは大きな意味を持ちます。いまの時代の風を纏う素晴らしい作品として多くの観客の心を掴みました。地元・高崎にこんな素晴らしい文化発信の拠点団体があり、素晴らしい創作と才能が生まれているということをお伝えしたく、特別上映としてプログラムいたしました。
特別企画1 録音エンジニア オノ セイゲンの世界
今回は、世界から絶大な信頼を寄せられる録音エンジニア・オノ セイゲンさんがマスタリングしたブルーレイ素材で、不朽の名作2作品を上映します。最先端の技術で名作の音を蘇らせるオノ セイゲンさんの仕事とはどんなものなのか。じっくりと観て聴いて味わっていただければと思います。25日の『ニュー・シネマ・パラダイス 完全オリジナル版』上映後には、オノ セイゲンさんによるスクリーントークがございます。マスタリングの世界についてたっぷりとお話を伺いますのでお楽しみに。
特別企画2 チャリティ上映
2022年2月、ロシアによるウクライナへの侵攻が始まりました。一年たった今なお続く戦争は、数えきれない犠牲者を出しています。国民の多くが国内外へ避難を余儀なくされ、深刻な人道危機に直面しています。群馬、そして高崎へも避難をして来られた方がいます。私たちに出来ることは限られるかもしれませんが、ウクライナをはじめとして世界で起きていることに目を向け、事態を把握し、彼らへ思いを寄せることがとても大事な一歩だと感じています。今春は、2015年に撮影された『ピアノ −ウクライナの尊厳を守る闘い−』を通じて、ウクライナ国民へ想いを馳せたいと思います。本上映の売上の一部は、高崎市を通じてウクライナから避難する方々の支援活動に寄付いたします。
特別企画3
高崎映画祭で数々の賞を受賞されたオダギリジョーさんが、脚本・演出・編集を手掛け話題となったドラマ『オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ』をシーズン1&シーズン2全6話一挙上映いたします。高崎映画祭をきっかけにできたご縁から、高崎電気館でロケも行った本作品。上映後は、オダギリジョーさんによるトークイベントを行い、撮影秘話などたっぷりお話いただきます。ロケ地となった高崎電気館がどこで登場するかもお楽しみ。この機会に是非ご堪能ください。
上映カテゴリー
第36回高崎映画祭 授賞式
日時:2023.3.19(日)16:00~
会場:高崎芸術劇場 大ホール