TOP NEWS 2016年12月14日(水)15日(木) 岸惠子 一人芝居「わりなき恋」開催のお知らせ

2016年12月14日(水)15日(木)岸惠子 一人芝居「わりなき恋」開催のお知らせ

ev_eyecatch_06

高崎映画祭委員会と高崎音楽祭委員会は、12月に「岸惠子 一人芝居 『わりなき恋』」(会場:高崎市文化会館)を開催いたします。

岸惠子さんは、今春3月第30回高崎映画祭の授賞式に列席するため、60年ぶりに高崎を訪れました。高崎市民・群馬県民に愛され親しまれてきた映画「ここに泉あり」の象徴ともいえる女優の登場に会場は沸き上がりました。その縁で、今秋9月には高崎音楽祭のオープニングコンサートにトークゲストとして再び登場し、群馬交響楽団との夢の再会が果たされることとなりました。この二つの出来事は、音楽のある街・高崎、そして映画のある街・高崎の原点が、岸惠子さんにあることを裏付けるものでした。そして今冬、女優・岸惠子さんが取り組む一人芝居「わりなき恋」公演が高崎で実現します。

  • 公演名:
    岸惠子 一人芝居「わりなき恋」
  • 日 時:
    12月14日(水)午後6時30分開演
    12月15日(木)午後2時開演
  • 会 場:
    高崎市文化会館
  • 入場料:
    全席指定・税込5,500円(友の会5,000円)
  • チケット:
    高崎財団webサイト
  • 出演/原作/脚色:岸 惠子
  • ピアノ:細井 豊
  • 演出:星田 良子
岸恵子 チケットのご購入など詳細は高崎財団webサイトへ
岸恵子

岸惠子一人芝居「わりなき恋」
高崎公演の開催にあたって 音楽のある街高崎、映画のある街高崎、
その原点は岸惠子
岸惠子が高崎に新しい伝説をつくる

 地方映画祭の草分け的存在として1987年に始まった高崎映画祭は今春で30回を数えました。記念すべき節目の開催にあたり、特別賞として岸惠子さんにその賞を授与いたしました。
地方都市で小さな産声をあげた映画祭は、いつからか高崎の春の風物詩となり、映画のある街・高崎と謳われるようになりました。30年という歳月を高崎映画祭が続けてこられたのには訳があります。それは、地方文化を担うという使命感です。その使命感を支える一つのよすがは『ここに泉あり』という名画と岸惠子の存在にありました。
 群馬交響楽団の草創期を描いたこの映画は、昭和29年に製作されました。大手映画会社のスタジオ撮影が主流だった時代に、そこから独立した形で資金を集め、ロケ撮影を行うという画期的な映画製作方法が模索されました。『ここに泉あり』もそんな新しい映画の一つでした。
 企画の中心となったのは高崎市出身のプロデューサー市川喜一氏で、高崎市民・群馬県民の多大な協力を得て、映画は半年という長い期間に渡って撮影され、完成を迎えました。
 オーケストラを生み出した地方都市のエネルギーが、映画も生み出したのです。昭和30年に『ここに泉あり』は公開され、全国各地で感動を呼び起こし、300万人を動員する大ヒット作品となりました。この映画の成功は、群馬県が全国初の「音楽モデル県」として文部省から指定されることにつながり、さらには群馬音楽センター設立運動へと発展していきました。
 群馬交響楽団が生まれ、『ここに泉あり』が誕生し、それに続く地方文化の発展は、先人達が遺した偉業であり、これらのことは高崎映画祭を続け、シネマテークを維持し、フィルムコミッションの活動をしていく上での一つの指針となっていました。
 『ここに泉あり』を名画たらしめた今井正監督の手腕はさることながら、俳優陣の熱演があったからこそ、ここまで世代を超えて人々の心を捉えていたといえます。高崎映画祭はこの30年間の活動を振り返る時、なくてはならない映画に今一度敬意を表したいと思いました。中でも、主人公の一人、佐川かの子を演じた岸惠子さんの存在なくしてはこの映画は成り立ちませんでした。
 特別賞受賞をきっかけに、岸惠子さんは60年ぶりに高崎の地へ訪れました。歓迎した市民の声に、音楽のまち高崎と映画のまち高崎の原点を結びつけた象徴が岸惠子さんであったことを再確認しました。

 このご縁は高崎音楽祭へと引き継がれました。毎年秋に開催する高崎音楽祭は、群馬交響楽団の演奏から始まるのが恒例ですが、ここにまた岸惠子さんにご登場いただくことが叶ったのです。群馬交響楽団と岸惠子の60年ぶりの再会はまた、高崎の音楽史、文化史に残る時間を刻みました。約一時間に渡るトークでは、『ここに泉あり』のエピソードに始まり、女優として、作家としての生き方、岸さんがお考えになるジャーナリズムや文化論へと多岐に渡りました。その活き活きとした表現者の姿は、かつて映画の中に見た女優・岸惠子そのままであることを私たちは目の当たりにしたのです。

 84歳になられた岸惠子さんが現在取り組まれているのがご自身の小説を舞台化した一人芝居です。女優になる前から小説家を目指していたという岸さんが、80歳を過ぎて執筆した小説「わりなき恋」は、69歳のジャーナリスト・伊奈笙子と、旅の途中で出会った年下のビジネスマン九鬼兼太との恋を描いた大人の恋愛小説です。
 美しい言葉で情緒豊かに描かれた純文学は27万部を突破するベストセラーとなりました。そして岸さんはこの小説を舞台化します。次なる表現方法を模索した岸さんの飽くなき探究心には脱帽ですが、この舞台の素晴らしさに私たちはまた感動を覚えました。
 歳を重ねた女優だからこそ作り出せる新しい舞台。女優・岸惠子の仕事は、今もなお人々に新しい感動を与えるのです。かつて、『ここに泉あり』で高崎市民が心を温められ、明日への希望を抱かせてもらったように、今の岸惠子さんの舞台で高崎市民に新たな活力とエネルギーを渡したい。私たちはそう思いました。

 2016年の春の高崎映画祭から秋の高崎音楽祭へと繋がったご縁は冬の公演へと結ばれました。2016年の冬、高崎の地で公演される岸惠子一人芝居「わりなき恋」は、新しい伝説の始まりになることでしょう。

チケットのご購入など詳細は高崎財団webサイトへ
第30回 高崎映画祭 授賞式
日時:2016年3月27日(日) 16時より
会場:群馬音楽センター(群馬県高崎市高松町28-2)


TOP