Films

邦画セレクション

2025年の公開映画を振り返ってみると、やはり最大の話題は李相日監督作品『国宝』の大ヒットが挙げられます。6月6日の公開から、いま現在に至るまで、超ロングランヒットとなり、興行成績においては、197億円を越え(2026年2月現在)、長らく破られていなかった実写邦画の1位記録を塗り替えました。単純計算をしても日本の人口の約1割の人がこの映画を観たことになります。10人に1人は観ている映画。そう考えると素晴らしくワクワクします。この事実は、映画に携わる人間として、とても勇気づけられるニュースでした。それに呼応するように、2025年の邦画界は全体的に豊作だったという声も多く、日本映画の今後の活況を期待せずにはいられません。
今年の邦画セレクションは受賞作品10作品を含む、全18作品です。社会問題に目を向けた骨太な作品から、パーソナルな視点で探究していく作品まで幅広く、バラエティに富んだ作品達を取り揃えました。豊かな日本映画の醍醐味を存分に味わっていただけたら幸いです。

洋画セレクション

国内における劇場公開作品の内訳を見ると、洋画の公開本数は年々減っていく傾向にあります。1980年代に始まったミニシアターブームは洋画との出会いに人々が熱狂したことに始まりますから、それは随分と懐かしい話になってしまいました。世界とのつながりを求める映画への情熱の火が再燃することを願って止みません。
今回ご紹介するモンゴル映画3作品は2025年に始まった第1回日本モンゴル映画祭で紹介された作品です。韓国からも日本未公開作品をダイレクトにご紹介することが叶いました。まだ見ぬ映画を届けたいという熱い映画人の想いこそが、新しい映画との出会いを作ってくれます。
ミニシアターブームを牽引した堀越謙三さんは、まさしくそんな偉大なる映画人のお一人でした。ご逝去を寂しく思いますが、最大の敬意と感謝を込め、最後のプロデュース作品である『アネット』を上映作品に加えました。高崎映画祭の想いを込めた珠玉の9作品をご堪能ください。

浜野佐知監督特集

個人的な話になりますが浜野佐知監督のお名前を知ったのは、25年ほど前。とある地域で開催された企画立案ワークショップを見学に行った時です。今の私くらいの女性が、「ピンク映画を撮ってきた浜野佐知監督の特集を」とプレゼンを始めました。提案したその女性のパワフルな物言いに少したじろぎながらも、その方が熱く語る浜野監督に興味が湧きました。そこでラインナップされたピンク映画を見る術は当時の私にはなかったのですが、一般映画として制作されていた『第七官界彷徨-尾崎翠を探して』と『百合祭』を拝見し、人間と性を見つめる眼差しの中にある、絶対的な映画への信頼と核を感じました。当時すでに300本を越えるピンク映画を撮りながら、映画監督として一般的に認知されてこなかった、偉大なる映画人。以来、発表される一般映画を追いかけ今に至ります。
最新作の劇場公開を記念し、一般映画初期作から全6作品を上映いたします。映画監督・浜野佐知の生き様ともいうべく映画の世界をお届けします。

監督たちの現在(いま)

日本映画の新しき才能の発掘と育成を目的にしたこの部門は、かつて「若手監督たちの現在(いま)」という名称で始まりました。映画製作の環境が変わる中で、作り手の技量も状況も大きく変わってきたなと感じた頃、年齢を想像させる若手という言葉を外し、監督たちの現在(いま)としてご紹介するようになりました。年齢やキャリアに括られない伸びやかな才能の開花を見つめたいと思っています。日本映画の「現在地」が見えてくるような、旬な「才能」を紹介するプログラムです。新しい映画作家との出会いをお約束いたします。

まちと映画

映画はさまざまな人の手によって作られます。製作者だけが作り手ではありません。映画を作るためには、あらゆる場と関わらないとなりません。たくさんの人たちの手を借り、力を得ながら映画は作られていきます。色々な条件を一つ一つ整えながらでないと先には進めません。その一つが撮影場所です。撮影地になるプロセスもさまざまですが、その土地・その場所でないと見られない景色や、実現できない表現があります。
まちと映画との切り離せない「幸福な関係」から生まれた作品を、このカテゴリーでは紹介しています。2025年度に公開された高崎フィルム・コミッション協力作品に加え、群馬県内で撮影された過去作品も含め、いま見ていただきたい7作品を取り揃えました。

NTT東日本群馬支店プレゼンツ みんなで一緒に映画の時間

子どもたちに映画を観てもらいたい。という思いからこのプログラムは始まりました。小さなお子さまから大人になる一歩手前の皆さんを中心に、「映画のいろいろな面を知ってもらいたい」、「映画を通してさまざま世界を知ってもらいたい」という思いを込めてお届けします。ご家族ご一緒に楽しめるもの、一緒に考えるもの、一緒に感じるものを取り揃えてご紹介するこのプログラムは、NTT東日本群馬支店様のサポートを受けて実現いたしました。上映の前後には、映画をより知ってもらえるためのお話の時間があります。一方通行ではない映画との出会いをお届けしたいと思います。

高崎映画祭40周年記念 映画製作企画第二弾

2027年の春、高崎映画祭は40回を迎える予定です。記念に残ることをと考え、映画を作ることにしました。地域の人たちと手を携えて作る映画にはその時代が宿り、人々の想いがこもるものです。上映者としてそのことを何よりわかっている私たちが、私たちにしか撮れない映画を撮ることができたら、どんなに素敵だろうかと思ったからです。
群馬県内出身の映画監督や、プロデューサー、各技術部、俳優部とともに、私たちが住むまちの<いま>、<いま>のわたしたちのエネルギーを、映画にします。
2024年から短編を1本ずつ製作し、最終的にそれをまとめて1作の長編オムニバス映画にする企画です。昨年の第1弾パートの武井佑吏監督につづき、私たちが第2弾パートを託したのが、高崎市出身の枝優花監督です。2025年秋、伊勢崎市のご協力を得て、高校生の繊細で逞しい少年たちの時間を枝ワールドで存分に描いていただきました。映画、ドラマ、ミュージックビデオの監督として活躍されている枝監督の新作短編映画です。どうぞご期待ください。