Films

オープニングイベント上映

邦画セレクション

(一社)日本映画製作者連盟の資料によると、2024年に劇場公開された邦画は685本、過去最高公開本数を数えた2019年の689本に届く数字でした。500館を越える劇場公開作品がある一方で、数館しか公開されない作品も多く、公開本数の多さがその格差を大きくしている点は否めず、上映者としては憂慮する部分もあります。
とはいえ、大規模公開であれ小規模公開であれ、高崎映画祭の視点から皆様にお届けしたい作品を選ぶことに違いはありません。注目作から知られざる名作まで幅広くお届けしてまいります。

洋画セレクション

(一社)日本映画製作者連盟の資料によると、邦画の公開本数を洋画が上回ったのは1987年、邦画286本に対し洋画が351本でした。それまで洋画といえばハリウッドメジャーが中心でしたが、ヨーロッパをはじめとする各国の作品が加わるようになりミニシアターブームが到来しました。世界各国の映画が少しずつ日本に入るようになったとはいえ、公開週数や公開館が限られるものが多いのは変わりません。2024年の洋画公開本数は505本。高崎映画祭でご紹介できる作品の数はそのうちのたった1%に過ぎませんが、心に残る一作との出会いがあることを願っています。

ジョージア映画祭2024より

コーカサス山脈の南に位置し、ロシア、アゼルバイジャン、アルメニア、トルコと国境を接するジョージア。東西交易の要所であるために周辺の国々から度重なる侵略を受けてきましたが、独自の言語、そして文化を守り続け、3000年の歴史を紡いできたと言います。今回は、2024年に東京を皮切りに始まったジョージア映画祭2024のプログラムから5作品を厳選し、政治体制による厳しい抑圧下においても、ユーモアとアイロニーを交えながら、人間と社会の真実を捉えようとする映画たちをお届けします。
また、東京での公開時に特別企画として紹介された、『LISTEN.ジョージア篇“UNITY 結束”』も併せて上映いたします。俳優・山口智子さんがプロデューサーを務めるThe Listen Projectの1作です。
21日には、企画・制作を手掛けるはらだたけひでさんをお迎えして、ジョージア映画を紐解くスクリーントークも開催いたします。この機会に、コーカサスの風に耳を傾けていただけたら嬉しいです。

監督たちの現在(いま)

この部門では、日本映画の未来を見据え、日本映画界を背負ってたつ才能たちをご紹介しています。独自の視点で映画を表現しようとする進取果敢な人たちの作品は、どれも魅力に溢れ、今の自分たちにしか撮れないものへの意識を強く感じます。監督たち、と銘打っていますが、映画はチームで作り上げるもの。それを知っている監督たちと、そこに集まった映画人たちの気概あふれる作品群をご堪能ください。映画監督だけでなく、スタッフ、キャストのお名前も是非チェックしていただき、彼らの今後の活動も含めて注目していただけたら嬉しいです。

まちと映画

映画はさまざまな人の手によって作られます。製作者だけが作るのではなく、さまざまな人たちの手を借りないと、映画は出来ません。いろんな条件やご縁で撮影場所は決まっていきますが、その土地・場所でなければ実現できない表現や景色もあります。今回の「まちと映画」では、高崎フィルム・コミッションが支援協力した作品とともに、その土地や地域の人々の手によって生みだされた、地域密着型の作品をご紹介していきます。それぞれの地域の景色や人びとに思いを馳せ、ご覧いただけたら嬉しいです。

特別上映

押井守監督『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』が発表されたのが1995年。壮大なスケールで描かれた唯一無二のアニメーションは、世界中のクリエイターに影響を与え、多くの映画ファンを虜にしました。翌年の春に開催した第10回高崎映画祭では当作で押井守監督へ最優秀監督賞を授与させていただきました。
2004年その続編にあたる『イノセンス』が発表され、再び多くの映画ファンを熱狂させました。2024年『イノセンス』公開20周年を記念し、2作が同時に4Kデジタルリマスターで蘇りました。
国内でも限られた会場で上映をされるこの2作品を、今回特別に上映させていただける運びとなりました。
草薙素子役を務められた田中敦子さんは群馬県前橋市のご出身です。いつかお呼びしたいと願っていましたが、惜しくも昨年ご逝去されました。同郷としての敬意と哀悼の意を表し、この機会を大切に上映させていただきます。

クロージング上映