2011年3月11日に起きた東日本大震災。激しい地震の揺れの後、東北地方を襲ったのは目を疑うほどの大津波だった。酒井・濱口両監督は、その津波被害を受けた三陸沿岸部に暮らす人々の「対話」を撮り続ける。監督たちが伝えようとしたのは、被災地の悲惨な映像ではなく、対話から生成される人々の「感情」。特に津波被害に遭った岩手県から福島県の沿岸部で暮らす人々に震災発生当時のことを中心に語ってもらうことで、「そこで起きたことはいったい、何だったのか」を示し、「そこにはいったい、誰がいたのか」を確かめる。そして、この映像により、今まさに起こっている「復興」の活動そのものを見せてゆく。
2011年 2h22 監督:酒井耕/濱口竜介