80年代〜90年代、「スタイリッシュでありながら人間臭い日本映画」がいくつもありました。そのどれもが、「かっこよく」「しびれる」もので、その中でもとりわけ人々を惹き付けたのが濱マイクシリーズに代表される林海象ワールドではなかったでしょうか。登場人物たちのけだるさ感、社会の片隅で生きるくぐもり感がなぜかかっこよく、映画自体はエネルギーに満ち溢れる。時代に流されない作風と世界観は、日本映画のアンダーグラウンドを支えて来たといっても過言ではありません。
 そんな林海象監督が、長年にわたって映画化を切望してきた稲垣足穂の『彌勒』。実現まで長い年月を要したわけですが、低迷する日本社会・日本映画界にまた一石を投じてくれます。映画になるテーマ、映画になる世界、映画という魔物。を存分に味わっていただきたいものです。
 期間中は林海象監督をお迎えする予定です。デビュー作『夢みるように眠りたい』から最新作『彌勒 MIROKU』まで、10作品をご堪能あれ。
 (『彌勒 MIROKU』を除く9作品は35ミリのプリント上映)

カテゴリー:林海象監督特集

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