１９５２年晩秋。ギリシャの南部ペロポネ半島の海辺の町・エギオンに旅芸人一座がおりたった。丸二日寝ていない疲れ果てた彼らの横を選挙カーがビラを撒きながら通り過ぎる。大統領選挙を間近に控え町は慌ただしくなっていた。かつてこの一座は同じようにここに来た。１９３９年晩秋、旅芸人一座はエギオンを歩いていた。一家の出し物は《羊飼いのゴルフォ》である…。
第二次世界大戦の勃発、ナチスによる占領、イギリス軍の進駐や内戦、軍事政権の成立と、１９３９年から５２年にかけてのギリシャを、小さな巡業劇団の年代記として描き出す。壮大な歴史感を静謐な映像に落とし込む手腕に世界中が絶賛をよせた。アンゲロプロスの名を世にしらしめた大傑作。
1975年 3h52 ギリシャ 出演:エヴァ・コタマニドゥ
