アレクサンドロスは映画監督。映画制作の最中だが、主役に適した俳優がみつからないでいた。そんな折、女優のヴーラと撮影所のカフェにいると、そこにラベンダーの花を売る老人が入ってくる。彼こそ探していた人物だと直感したアレクサンドロスはその老人を追い撮影所から町を抜け、港町までやって来る。ふと、見るとそこには妹のヴーラがいた。今日は32年前にロシアに亡命した父が帰ってくる日だった…。
いつの間にか映画の中で映画が始まっている。この物語は、社会主義国家に身を置くアレクサンドロスの現在と、彼が撮ろうとしている映画・内戦時代のギリシャの過去、をなぞらえる二重構造で展開していく。
「ギリシャ人の帰郷」を叙情的に描く一作。
1984年 2h20 ギリシャ 出演:ジュリオ・ブロージ