「横浜日劇」の2階にあるマイクの探偵事務所に飛び込んでくる仕事と言えばこのところペット探しなど冴えないものばかり。日々をつらつらと過ごしていくなか、マイクは自分と妹・茜を幼き頃に捨てた母リリーが黄金町に帰って来たという噂を耳にする。 一方、まちでは川の利権争いが激化していた。警察もヤクザも手出しが出来ない「白い男」が川を仕切り、その領域に踏み込む人間は白い男の一味によって皆消されてしまうのだ。犯人はわかっていながらその正体がつかめない警察は、マイクにある依頼をもってくる…。
川をモチーフに、止まらない流れ、血縁、絆、時代を描き込む。痛快で、娯楽性の高い物語進行ながら、普遍的テーマをえぐり出し余韻を残す果敢なる一作だ。
1995年 1h41 監督:林海象 出演:永瀬正敏