昭和30年代の浅草、私立探偵魚塚甚の元に一つの依頼が舞い込む。依頼主は月島桜と名乗る老婆で、何ものかにさらわれてしまった娘の桔梗を探してほしいというものだった。事件にまつわるいくつもの謎を解いて行く魚塚。次第に、かつて月島桜が主演を務めたものの未完に終わった『永遠の謎』という映画が、この事件に深く関わっている事に気づく。『永遠の謎』は、完成間近に警察の検閲にあい、ラストシーンを撮影出来ぬままお蔵入りになってしまったのだ。どうやら魚塚はその映画の通りに進んでいるようだ…。
林海象監督デビュー作。サイレント映画を模した作りで、モノクロ映像、巧みな音響使いが作品の充実度を飛躍的にあげた意欲作。
1986年 1h21 監督:林海象 出演:佐野史郎