『1936年の日々』(1972)、『旅芸人の記録』(1975)、に続くギリシャ現代史3部作の最終章。前2作は軍事政権下で作られているが、本作はギリシャが民主主義復活を世界に告げた後に作られているが歴史に対する誠実で厳しいまなざしが受け取れる一作である。
1976年の大晦日。狩りに出かけた6人の男たちは、イピロスの雪山で若い兵士の死体を見つける。どうみても1949年に終わった内戦時代の左翼パルチザン兵であったが、その血は今死んだばかりのように温かかった。困った一行は死体を自分たちの宿泊地に運び込む。そして検事と憲兵による検死審問が始まった…。
現代と過去、現実と想像を交錯させ歴史の一端をあぶり出していく。徹底した1シーン1カットも見所の一つ。
1977年 2h52 ギリシャ=ドイツ=フランス 出演:ヴァンゲリス・カザン